チャップリン映画音楽コンサート(「チャップリンの日本」と併設開催)

クラシック篇 <チャップリンと現代音楽> (ジャズ篇はこちら)

2006年3月30日(木)19時開演

★喜劇王チャーリー・チャップリンは、みずから映画音楽を作曲したことでも知られています。

今回は、イージー・リスニングとして享受されがちなチャップリンの音楽を、新たな実験的アレンジによって現代に甦生させる試みを行います。
編曲を担当するのは、諏訪敦彦監督《H story》《M/OTHER》(毎日映画コンクール音楽賞)等で知られる鈴木治行をはじめ、現代音楽からフリー・ミュージックまで一線で活躍する5名の日本人作曲家たち。
親友だったシェーンベルクなど同時代の作曲家たちの作品も交えつつ、「音楽家チャップリン」を多角的に捉え直します。
さらに、近年見つかったチャップリンの未発表曲をオリジナル楽譜で初演。
演奏は、京都出身で国際的に活躍する鬼才ピアニスト大井浩明、新進気鋭の白井圭(ヴァイオリン)、多井智紀(チェロ)によるピアノ・トリオ。
チャップリン研究家の大野裕之の解説トークも予定されています。

演奏曲目(順不同)
Programme

●チャップリン:
《Oh! That Cello》《There's always one you can't forget》《The Peace Patrol》 [オリジナル版・世界初演]
C.Chaplin: Oh! That Cello, There's always one you can't forget, The Peace Patrol (the original version, premiere)

●チャップリン(編曲/鈴木治行):
《モダンタイムス》より「スマイル」、《ライムライト》より「テリーのテーマ(エターナリー)」、
《伯爵夫人》より「ジス・イズ・マイ・ソング」  [新編曲・世界初演]
C.Chaplin/Haruyuki Suzuki: "Smile" from Modern times, "Terry's Theme (Eternally)" from Limelight, "This is my song" from The Countess from Hong Kong

●チャップリン(編曲/鈴木潤):
《偽牧師》より「テーマ」、《ニューヨークの王様》より「マンドリン・セレナーデ」 [新編曲・世界初演]
C.Chaplin/Jun Suzuki: "Bound for Texas" from The Pilgrim, "Mandolin Serenade" from A King in New York

●チャップリン(編曲/片岡祐介):
《街の灯》より「ボクシングの場面」、《モダンタイムス》より「工場の場面」 [新編曲・世界初演]
C.Chaplin/Yusuke Kataoka: "Boxing Scene" from City Lights, "Factory Numbers 2" from Modern Times

●チャップリン(編曲/河崎純):
《ニューヨークの王様》より「しだれ柳」、《街の灯》より「ビューティフル・ワンダフル・アイズ」 [新編曲・世界初演]
C.Chaplin/Jun Kawasaki: "Weeping Willows" from A King in New York, "Beautiful Wonderful Eyes"

●チャップリン(編曲/寺内大輔):
《伯爵夫人》より「クロッシング・ザ・ダンス・フロア」 [新編曲・世界初演]
C.Chaplin/Daisuke Terauchi: "Crossing the dance floor" from A Countess from Hong Kong

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●J.ブラームス:
ハンガリー舞曲第5番 〜《独裁者》より
J.Brahms; Ungarischer Tanz Nr.5 from The Great Dictator

●A.シェーンベルク(E.シュトイアマン編):
浄められた夜(ピアノ三重奏版)
A.Schönberg/E.Steuermann: Verklärte Nacht op.4

●D.ミヨー:
屋根の上の牡牛 〜シネマ・ファンタジー
D.Milhaud: Le Boeuf sur Toit - Cinema Fantasie

●H.アイスラー(編曲/河崎純):
子供の国歌
H.Eisler/Jun Kawasaki: Anmut sparet nicht noch Mühe


演奏者プロフィール

白井圭 Kei SHIRAI (ヴァイオリン)
1983年トリニダード・トバゴ生まれ。第51回日本学生音楽コンクール中学部門全国第1位。東京藝術大学音楽学部附属音楽高等学校を経て同大学卒業。大学1年生在籍時に第70回日本音楽コンクール・ヴァイオリン部門第2位入賞、併せて全部門で最も印象的な演奏に贈られる増沢賞を受賞し、大きな話題となる。新日本フィルハーモニー交響楽団、東京交響楽団、東京フィルハーモニー交響楽団、仙台フィルハーモニー交響楽団等、オーケストラとの共演も数多い。ゲルハルト・ボッセ指揮東京藝術大学チェンバーオーケストラ並びに神戸室内合奏団とはK.A.ハルトマンのヴァイオリン協奏曲を蘇演、また東京藝大より派遣され韓国ソウル市にて韓国総合芸術学校オーケストラとメンデルスゾーンの協奏曲を演奏している。ルツェルン音楽祭(スイス)ではピエール・ブーレーズ主宰のアカデミーに招待参加、またスペインEncuentro de Musica y Academia音楽祭で共演したウラディミール・アシュケナージ氏からはその音楽性を高く評価された。ヴァイオリンと室内楽を徳永二男、大谷康子、田中千香士、堀正文、山崎伸子、ゴールドベルク山根美代子の各氏に、またバロック・ヴァイオリンを若松夏美氏に師事。

多井智紀 Tomoki TAI (チェロ)
1982年大阪生まれ。9歳より杉山實氏の手ほどきのもとチェロを始める。大阪府立夕陽丘高校音楽科で近藤浩志氏に、東京藝術大学音楽学部にて河野文昭、苅田雅治の両氏に師事する傍ら、鈴木秀美氏にバロック・チェロも学ぶ。バッハ・コレギウム・ジャパン、トロヴァトーリ・レヴァンティ、ヘンデル・フェスティヴァル・オーケストラ等の古楽アンサンブルに通奏低音奏者として参加する一方、現代音楽分野でもEnsemble Bois、Next Mushroom Promotionのメンバーとして旺盛な活動を展開。日本現代音楽協会、日本作曲家協議会、深新会関西、クロノイ・プロトイ、MU楽団、FLAT、韓国大邱(テグ)現代音楽祭等のコンサートで新作初演も多く手がけている。ヘルムート・ラッヘンマン《プレッション》《アレグロ・ソステヌート》(菅原幸子=ラッヘンマン女史との共演)、マグニュス・リンドベルイ《ストローク》、細川俊夫《線II》などでは作曲者自身から絶賛を博し、ことに松平頼暁《Uのための0, 1& 2》世界初演におけるダブル・ボウ(二重弓)テクニックは国際的に注目を集めている。ポップス・ジャズ分野でも岩崎宏美、青柳誠、榊原大、松谷卓、真部裕各氏のセッションやサポートに参加する等、活動の輪はますます広がりつつある。

大井浩明 Hiroaki OOI (ピアノ)
京都市生まれ。スイス連邦政府給費留学生ならびに文化庁派遣芸術家在外研修員としてベルン芸術大学に留学、同大学院ピアノ科ならびに古楽部門チェンバロ科修了。出光音楽賞、朝日現代音楽賞、アリオン賞、青山音楽賞、村松賞等を受賞。これまでにN響、新日フィル、都響、京響、仙台フィル等のほか、ヨーロッパではバイエルン放送響、アンサンブル・アンテルコンタンポラン等と共演。「ヴェネツィア・ビエンナーレ」「ハノーファー・ビエンナーレ」「アヴィニョン・フェスティヴァル」「パンミュージック・フェスティヴァル(韓国・ソウル)」「November Music Festival(ベルギー・オランダ)」等の音楽祭に出演。仏TIMPANIレーベルでの『クセナキス管弦楽全集』シリーズには2002年から参加、アルトゥーロ・タマヨ指揮ルクセンブルク・フィルと共演したCD《シナファイ》はベストセラーとなり、ル・モンド・ドゥ・ラ・ミュジック誌“CHOC”グランプリを受賞した。チェンバロ・オルガン等の歴史的鍵盤楽器の演奏にも力を入れており、今年はクラヴィコードによるバッハ《平均律第2巻》公演、フォルテピアノによるモーツァルト・チクルス、またバロック・オーケストラとの協奏曲等も予定している。

ジャズ篇 <チャップリンと共にたどるジャズの時代> (クラシック篇はこちら)

2006年3月28日(火)19時開演

「スマイル」「テリーのテーマ」などおなじみの音楽を、鬼才ベーシスト、島秀行がアレンジ。
スウィングと呼ばれた頃のビッグバンド・ジャズからモダンジャズ…
やがて未来のジャズへと、チャップリンの音楽を楽しみながら、ジャズの歴史を辿ります。
演奏は、ベースの島秀行をはじめ、SIXNORTHで活躍するヴォーカル浦千鶴子、なんとキーボードには新澤健一郎という豪華メンバー!
チャップリンファン、ジャズファンならずとも見逃せないスペシャル・コンサートです。

演奏者プロフィール

島 秀行…ベース、編曲、プロデュース
1989年国際親善グループ”Up With People”に参加し旧ソヴィエト連邦を含む世界各地をツアー。91年にバークリー音楽院に入学。在学中に、ギタリストのスティーブ・モース氏と共演。帰国後、京都を拠点に、デイヴ・シンクレアと共演するなど国際的に活躍している。自らリーダーをつとめる”SIXNORTH”の1stCD”I'M HERE IN MY HEART”はフランスのMUSEA RECORDSより全世界同時リリースされた。

新澤 健一郎…キーボード
大学在学中より都内のジャズクラブに出演し、木住野佳子(p)「ランデヴー」ツアーで本格的な演奏家としてのキャリアをスタート。現在は自己のグループ「Nervio」(ネルビオ)やピアノ・トリオ、フュージョングループの老舗「PRISM」のサポートなど。2005年にはフィンランドのギタリスト、 ニクラス・ウインターとの共演を果たす。ジャズとクラシックをルーツとした独自のピアノスタイルと、シンセサイザーを心地良く響かせるセンスが高い評価を得る。

浦 千鶴子
国際的に評価の高いSIXNORTHのボーカリスト。2003年にはリチャード・シンクレア氏の日本ツアーのステージに招かれ、共演。2004年11月には、英国ケント州にて、ボブ・ゲルドフ、ルー・リードなどのバンドで活動するマーク・ヒューインズ氏主催のイベントに出演、大絶賛される。

小田島伸樹…ギター
1996年に渡米し、サンフランシスコ、べイエリアを拠点に活動。その際、グローヴァー・ワシントンJr等と共演し、好評を博す。2001年には人気ポップスduo、ケミストリーの伴奏を務める。ジャズのみならず、ロック、ファンク、ボサノヴァ、フリー・インプロヴィゼーションまで独自のスタンスでプレイするギタリスト。

松田"Gori"広士…ドラムス
大阪府生まれ。ブリティッシュロックで音楽に目覚め15歳でドラムを始める。その後FunkやR&Bなどに傾倒し、現在は関西を代表する中堅ジャズドラマーとして活躍中。

砂守岳央/ンジャマ・ユラム…DJ+FX
京都を中心に活動する音響系アーティスト。ミュージカル劇団とっても便利では2002年ツアー公演「美しい人」(アリス賞受賞)以来、「Complex」などすべての公演でほとんどの楽曲アレンジを担当、高い評価を得ている。

高木夏子…ナビゲーター
女優。得意のソプラノを生かして、ミュージカル劇団とっても便利ではほとんど全公演で主役級を演じる。昨年は『天守物語』(泉鏡花原作)にて、名女優・小川眞由美の代役をつとめた。